6月 2, 2025 小野由絵

腸内環境の改善にはどんなサプリがおすすめ？健康のために腸活を始めよう！

「毎朝お腹がすっきりせず、肌もくすみがち。」
「疲れが取れず、毎日なんとなくだるさを感じている」

このような悩みを抱えていませんか？

腸は栄養吸収・免疫バランスを担う“第二の脳”。乱れると便通や肌コンディションまで影響するといわれます。一方で、忙しさのあまり食事管理はおろそかになりがちな方も多いのではないでしょうか。

そこで頼りになるのが腸内環境をサポートするサプリ。本記事では、腸内環境の基本から、サプリの成分の選び方、安全性の見極め方、さらには生活習慣の整え方まで、薬剤師監修のもとでわかりやすく解説します。

※サプリは医薬品ではなく、疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。体調が気になる方は医療従事者へご相談ください。

腸内環境とは

腸内環境とは、腸内に存在する数十兆個の細菌がつくるバランスのことで、健康や美容に密接に関わっているとされています。ここでは、腸内フローラのしくみや菌の種類、腸活との関係をわかりやすく解説します。

腸内環境の基本を理解しよう

私たちの腸内には「腸内フローラ」と呼ばれる微生物の生態系が広がっています。この腸内フローラは善玉菌・悪玉菌・日和見菌から構成され、その総数は約40兆個にも達するといわれています。そして、健康な腸内環境では、3つの菌が「2：1：7」という理想的なバランスで共存しています。

善玉菌の代表格であるビフィズス菌や乳酸菌は、食物を発酵させる過程で短鎖脂肪酸を産生します。この短鎖脂肪酸が腸のぜん動運動を促進し、消化吸収をサポートするだけでなく、体内で合成しにくいビタミンB群やビタミンKなどの重要な栄養素の生成にも関わっているのです。

腸内環境を整えるためには、善玉菌の餌となる食物繊維やオリゴ糖を豊富に含む食品を積極的に摂取することがポイントです。これらの成分は「プレバイオティクス」とも呼ばれ、腸活の強い味方となってくれます。

なぜ腸内環境を改善する必要があるのか

腸内環境を整えることで、便通の乱れや肌荒れ、なんとなく続く疲労感など、日常的な不調の緩和が期待できるのをご存知でしょうか。これは腸が「第二の脳」とも呼ばれるほど、栄養の吸収や免疫バランス、メンタル面にまで影響を及ぼす重要な臓器だからです。

腸内環境が乱れると、便秘や下痢といった排便トラブルにとどまらず、ストレスへの抵抗力が低下したり、肌トラブルが長引いたりすることも。反対に、善玉菌が優位な状態を維持できれば、体内の巡りが整い、疲れにくく健やかな毎日を送ることができるでしょう。

一方で「忙しい毎日の中で生活習慣を一から見直すのは、正直むずかしい」と感じている方もいるのではないでしょうか。そのような方は、サプリメントで善玉菌やそのエサとなるオリゴ糖・食物繊維などを効率的に補いながら、無理のない腸活を継続していくことをおすすめします。

腸内環境を改善するためのサプリの選び方

腸内環境を整えるためにサプリを取り入れたいと思っても、種類や成分が多すぎて何を選べばいいのか迷ってしまいますよね。ここでは、成分の種類から安全性の確認方法まで、選ぶ際に知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。

乳酸菌の分類～プロバイオティクスとプレバイオティクス、バイオジェニックスの違い～

プロバイオティクスとプレバイオティクスの違いは、「善玉菌を補うか、育てるか」です。

プロバイオティクスは、生きた微生物を摂取することで腸内フローラのバランスを改善し健康に良い影響を与えます。いわば体内に“取り入れる”タイプの善玉菌そのもの。代表的なのは乳酸菌やビフィズス菌、酪酸菌などで、サプリやヨーグルトなどから摂取できます。
プレバイオティクスは、善玉菌の“エサ”となる成分。イヌリンやフラクトオリゴ糖、水溶性食物繊維がこれに該当し、腸内で善玉菌を増やすサポートをするといわれています。
バイオジェニックスは、腸内フローラを介さずに、腸管に直接作用します。免疫賦活、コレステロール低下、血圧低下、抗腫瘍効果など直接的な健康効果をもたらします。

つまり、プロバイオティクスは生きたまま摂取し「善玉菌を届ける」、プレバイオティクスは「もともと腸にいる善玉菌を育てる」、バイオジェニックスは、加熱殺菌された菌を摂取し「腸を整える」役割があります。

これらのうち、プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせた「シンバイオティクス」は、生きた菌とその餌を同時に摂取することで相乗効果が期待でき、理想的なアプローチとされています。また、バイオジェニックスは別のメカニズムで腸内環境に働きかける第三の選択肢として注目されています。

どんな成分が腸内環境改善に効果的なのか

菌の種類やエサとなる成分によって期待できる効果が変わるため、腸内環境を整えるサプリを選ぶうえで「どの成分が含まれているか」は重要なポイントです。ここでは、腸内フローラのバランス改善に役立つとされる代表的な成分を5つご紹介します。

1.ビフィズス菌
腸内の善玉菌の中でも特に有名な存在で、大腸に多く生息しています。短鎖脂肪酸を産生し、腸内を弱酸性に保つことで悪玉菌の増殖を抑える働きがあるとされています。加齢やストレスで減少しやすいため、サプリでの補給が役立つ場合もあります。

２.エンテロコッカス・フェカリス菌

ヒトの消化器官に常在する菌で、腸内の善玉を増やし悪玉菌を抑制することで腸内環境を整えることが期待されます。

3.オリゴ糖
フラクトオリゴ糖やガラクトオリゴ糖などがあり、腸内にすでに存在している善玉菌のエサとなって、その増殖を助ける成分です。プレバイオティクスとして分類され、プロバイオティクスとの組み合わせでより高い相乗効果が期待されます。

4.水溶性食物繊維（イヌリンなど）
腸内でゲル状になって便のかさを増やし、善玉菌の活動をサポートします。また、便通を整える働きがあるといわれ、腸内環境を整える食生活に欠かせない成分のひとつです。

5.ビタミンD・亜鉛
直接的に菌を増やすわけではありませんが、腸粘膜の健康や免疫機能の維持に関わるとされている栄養素です。栄養バランスを整えることで、腸内フローラの活動がサポートされると考えられています。

サプリの安全性はどう確認する？

安全性をしっかり確認しておくことで、体への余計な負担や思わぬトラブルを防ぐことにもつながります。購入前に5つの項目をチェックしましょう。

1.GMPやISOなどの認証を取得しているか

GMP（適正製造規範）は、医薬品やサプリメントなどの製造工程において、品質と安全性を確保するための国の基準です。

ISOは国際的な品質管理や衛生管理の規格で、食品分野でも広く活用されています。これらの認証を取得しているサプリは、衛生的で安定した品質のもとで製造されていると判断でき、安心して継続しやすいと言えるでしょう。

【参考】GMPの概要｜公益財団法人日本健康・栄養食品協会

【参考】ISOの基礎知識｜日本品質保証機構

2.「機能性表示食品」として届出されているか
機能性表示食品とは、「おなかの調子を整える」など、特定の機能に関する科学的根拠をもとに、その働きをパッケージに表示できる食品のことです。

企業が安全性や機能性に関するデータをそえて、消費者庁に届け出を行っています。届出番号や具体的な表示内容は誰でも確認できるため、選ぶ際の安心材料になります。

【参考】機能性表示食品について｜消費者庁

3. 原料の原産国やアレルゲン、添加物の有無が明記されているか

パッケージや公式サイトでこれらの情報がしっかり開示されているかを確認しましょう。不明点が多い製品は避けるのが無難です。

4. 飲み合わせや体質に不安がある場合は専門家に相談する
持病がある方や、薬を服用している場合は、事前に医師または薬剤師に相談することが大切です。思わぬ影響を避けるためにも重要です。

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オーガニックサプリの効果

オーガニックサプリとは、化学肥料や農薬を使わずに栽培された植物由来の成分や、化学合成添加物を極力使用せずに製造されたサプリメントです。

腸内環境サポートには、プロバイオティクス（乳酸菌やビフィズス菌など）やプレバイオティクス（食物繊維やオリゴ糖など）が注目されており、オーガニックサプリではこれらが自然に近い形で配合されています。

ただし、オーガニックであること自体がサプリメントの腸内環境改善効果を直接的に高めるという科学的根拠は、現時点では限定的です。オーガニック認証マークだけでなく、配合成分や品質も合わせて確認しましょう。

腸活をサポートするライフスタイルの見直し

腸内環境の改善には、サプリだけでなく毎日の生活習慣の見直しも欠かせません。ここでは、食事・運動・ストレス管理の3つの視点から、無理なく続けられる腸活の実践ポイントを紹介します。

食生活で気をつけるべきポイント

腸内環境を改善するためには、バランスの取れた食事が不可欠です。特に、善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を豊富に含む食品を積極的に摂取することが推奨されています。

水溶性食物繊維：バナナ・ごぼう・大麦・海藻類（わかめ・ひじき）など
オリゴ糖：玉ねぎ・アスパラガス・大豆製品・はちみつなど

さらに、プロバイオティクスを含む発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌、ぬか漬けなど)を食卓に取り入れることで、腸内に善玉菌そのものを届けることができます。

厚生労働省の『食生活改善指導担当者テキスト』によると、脂質や糖質の取り過ぎを控え、食事の時間を整えるといった基本も、腸内環境の改善に繋がるとされています。無理なく取り入れられる範囲から始めてみましょう。

【参考】食生活改善指導担当者テキスト｜厚生労働省

運動が腸内環境に与える影響

運動は腸内環境の改善に役立つことが、近年の研究で明らかになってきました。中でも、適度な運動は腸のぜん動運動を促し、便秘の緩和や腸内細菌のバランス調整、免疫機能のサポートに関与するとされています。

腸活を目的とする場合は、ウォーキングや軽いジョギング、ヨガなどの中〜低強度の運動を無理なく継続しましょう。日常の中でこまめに体を動かすことが、腸の調子を整える一歩になります。

【参考】Physical Exercise as a Therapeutic Approach in Gastrointestinal Diseases｜PubMed PMID: 40095789

ストレス管理の方法

ストレスが腸内環境に影響するのは、「脳腸相関（のうちょうそうかん）」と呼ばれる仕組みがあるからです。脳と腸は自律神経やホルモンを通じて密接につながっており、ストレスが強くなると腸の運動機能や腸内フローラのバランスにも悪影響を及ぼすといわれています。

朝5分の腹式呼吸や、夜の軽いストレッチなど、無理のない方法で自律神経を整えることが、腸活のサポートになります。「頑張らないリラックス習慣」を日常に取り入れてみましょう。

腸内環境改善の効果を実感するには

腸内環境の改善は、すぐに目に見える変化が出るとは限りません。ここでは、効果を実感するまでの目安期間や、変化を感じにくいときの対処法、日々の体調を確認する方法について解説します。

前提として、腸内環境の改善は個人差が大きく即効性のあるものではありません。目安としては、サプリメントの摂取や生活習慣の見直しを継続することで、個人差はありますが変化を徐々に感じる方がいます。

その後、肌のコンディションや疲れにくさ、気分の安定といった体調全体への影響が少しずつ現れることが多いようです。腸活は“積み重ね”が基本。焦らず、少しずつ身体の変化を観察していくことが大切です。

効果を実感できない場合の対処法

腸活を始めてもなかなか効果を感じられない場合は、次のような点を見直してみましょう。

サプリの菌種や成分が合っていない可能性がある
摂取タイミングが適切でない
食物繊維や水分が不足している
ストレスや睡眠の質が腸に影響している

こうした見直しとあわせて、薬剤師に相談するのもおすすめです。成分の特徴や飲み合わせなどについて専門的な視点からアドバイスを受けられるため、自分に合った腸活が見つけやすくなります。

定期的なチェックの重要性

腸活は“見えない体内の変化”だからこそ、自分なりのチェック習慣があると継続しやすくなります。便の状態や体調を手軽に記録できるアプリを活用して、変化を“見える化”しましょう。

【おすすめの腸活サポートアプリ】

ウンログ（UNLOG）：便の形・色・気分を簡単に記録。グラフで変化がわかりやすく初心者向け。
腸ノート：腸活に特化したWebアプリ。スマホをお腹にあてて腸音を測定し、腸活レベルを測定できます。
ヘルスプラネット：体重・体脂肪・排便・食事などを一括管理。腸活とあわせて健康全般を見直したい人に。