乳酸菌と花粉症の関係とは|サプリや食品によるアレルギー対策に効果はあるの?
乳酸菌が花粉症に効くって本当?サプリやヨーグルトなどの食品の摂り方を解説
春は、多くの人がくしゃみや鼻水などの不調を感じやすい季節です。そんな時期の不快をサポートする存在として、ヨーグルトや発酵食品などに含まれる「乳酸菌」に注目が集まっています。
乳酸菌は腸内環境を健やかに保つ働きがあると言われており、毎日のコンディションづくりをサポートする存在として親しまれています。近年特に腸内環境と季節性の不快感との関係への関心が高まっていることもあり、体の内側から整えるアプローチに興味を持つ人も増えているのです。
食生活の中でできるセルフケアを取り入れたい方にとって、乳酸菌を意識することは、快適な日々への第一歩になるかもしれません。
この記事では、乳酸菌と腸内環境の関係をやさしく解説します。また、日常に取り入れるための工夫やサプリメント選びのポイントも紹介しますので、春を快適に過ごしたい方はぜひ参考にしてみてください。
花粉症と乳酸菌の関係性とは

花粉による鼻水やくしゃみといった不快な症状には、体の「免疫バランス」が深く関係していると言われています。
近年の研究では、腸内環境が免疫機能の働きに影響を与えることが注目されており、腸を整えることが季節の変化にゆらぎにくい体づくりにつながる可能性があると考えられているのです。
その中で、ヨーグルトや発酵食品などに含まれる「乳酸菌」を取り入れることが、日々のコンディションを支える手段として関心を集めています。
花粉症のメカニズムと免疫システム
花粉症は、スギやヒノキなどの花粉を「有害な侵入物」として体が誤って認識し、免疫システムが過剰に反応してしまうことで起こります。つまり、体を守るための防御機能が、無害な花粉に対しても全力で攻撃してしまう状態です。
【花粉によるアレルギー症状のシステム】
1.花粉が初めて体内に入る
2.免疫システムが異物と判断して「IgE抗体」を作り出す
3.IgE抗体が肥満細胞という免疫細胞の表面にくっつき、花粉を覚えておく
4.翌シーズンに同じ花粉が入ってくるとIgE抗体が花粉をキャッチ
5.肥満細胞が活性化されてヒスタミン、ロイコトリエン、プロスタグランジンなどの化学物質を放出
6.この化学物質によって鼻水、くしゃみ、かゆみといった症状を引き起こす
また、免疫には大きく分けて2つのタイプのヘルパーT細胞があります。Th1細胞はウイルスや細菌などへの防御反応を司る一方、Th2細胞は花粉やダニなどへの反応に関与しており、健康な状態ではこの2つがバランスよく働いているのが通常です。
しかし、花粉症の人はTh2細胞が過剰に活性化して、IgE抗体の産生を促進してしまいます。結果的に、アレルギー反応が強く出やすくなるのです。
腸内環境と免疫の関係
免疫細胞のうち、約70%が腸に存在すると言われています。腸は外界と最も接している臓器のひとつで、常に食べ物や異物と接しながら、免疫の司令塔のような役割を果たしています。
そのため、腸内環境が乱れると、免疫細胞の働きが偏りやすくなり、Th1・Th2細胞のバランスにも影響を与えるとされています。逆に、腸内環境が整うと、免疫応答が適切に制御され、過剰反応を起こしにくくなる可能性が高いと言われているのです。
このように、腸が免疫の要であるという考えから、腸内環境を整えることが、免疫バランスを整えることに繋がるとして、研究・臨床の両面で注目されています。
乳酸菌と腸内環境の関わり
乳酸菌には、腸内環境をすこやかに保ち、体の内側からバランスを整えるサポートが期待されています。ヨーグルトや発酵食品などに含まれる乳酸菌を継続的に摂ることで、腸内の善玉菌が働きやすくなり、腸の環境が整いやすくなると言われているからです。
先述のとおり、腸には体全体の約70%もの免疫細胞が集まっており、腸内環境の状態が免疫バランスにも深く関わっていると考えられています。近年はこの「腸と免疫の関係」に注目が集まり、乳酸菌を取り入れることが、花粉の季節の健康維持や備えとしても関心を集めているのです。
実際に、乳酸菌を一定期間摂取すると、花粉シーズンの鼻や目の不快感が軽くなったとされる研究結果も報告されています。こうした研究の一部から、乳酸菌が腸内で善玉菌をサポートし、その結果として免疫のバランスを整えることが、季節性のゆらぎへの対策につながる可能性があると期待されています。
このように、腸を通じて全身のバランスを整えるアプローチは、薬に頼らず自然な方法で体のコンディションを整えたい人にとってのひとつの選択肢になり得ます。日々の食事に乳酸菌を取り入れることが、健やかな春を迎えるための小さな一歩になるかもしれないのです。
花粉症シーズンに注目したい乳酸菌たち

花粉の季節に向けて、近年「乳酸菌によるサポート効果」が注目を集めています。
特定の乳酸菌株では季節性のムズムズや不快感を和らげるサポートをする可能性について研究が進められているものもあります。菌株ごとに特徴が異なるため、自分の体質や生活スタイルに合ったタイプのものを選ぶことが大切です。
ここでは、季節の変わり目の健康維持に関する研究が行われている、代表的な乳酸菌を紹介します。
免疫バランスをサポートするL-92乳酸菌
L-92乳酸菌は「ラクトバチルス・アシドフィルスL-92株」と言い、季節の変わり目に感じやすいムズムズ間やくしゃみの頻度を軽減するサポートについて研究が進められています。
L-92乳酸菌においては、免疫バランスを整える働きも注目されており、継続的に摂取することで、季節変化に負けにくいコンディションづくりを支えてくれると考えられています。
季節の変わり目の不快感に、内側からのサポートするEF2001株
EF2001株は、エンテロコッカス・フェカリスという乳酸菌の一種で、加熱処理された「死菌」として利用されることが多い成分です。腸内環境を整えることで、体のバランスを内側からサポートし、季節の変わり目に感じやすいムズムズや違和感の軽減に役立つ可能性があるとされています。
腸内環境を整えるBB536菌
BB536菌は、ビフィズス菌の一種です。「ビフィドバクテリウム・ロンガムBB536株」と呼ばれ、腸内の善玉菌をサポートし、体の内側から健やかなバランスを保つことで、季節に感じやすい不快感の軽減につながる可能性があると言われている乳酸菌です。
腸と免疫の関わりに着目した菌株として、おなかの調子を整えながら季節の変化を穏やかに乗り越えたい人に向いているとされています。
スギ花粉に特化したKW乳酸菌
KW乳酸菌は「ラクトバチルス・パラカゼイKW3110株」と言い、特に春の季節の健康時にに関心のある方に注目されている成分です。
目や鼻のムズムズを感じにくくする傾向についての研究が進められており、花粉シーズン前からの摂取が推奨されてることもあります。
その他の注目される乳酸菌株
上記の菌株以外にも、様々な会社が開発した乳酸菌が花粉症対策として注目されています。
L-55株は免疫バランスの調整をサポートする働きがあると言われています。環境の変化によるコンディションサポートの作用が示唆されており、ヨーグルト製品などを通して取り入れやすい乳酸菌としても注目を集めています。
また、LGG株(ラクトバチルス・ラムノーサスGG株)やフェカリス菌、クレモリス菌なども、免疫機能のバランス維持に関する研究が進められている菌株です。
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乳酸菌の種類 |
主な特徴 |
期待されるサポート |
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L-92乳酸菌 |
免疫バランスの維持をサポート |
季節のムズムズ感を穏やかに |
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BB536菌 |
腸内フローラを整える |
腸から整える季節ケア |
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KW乳酸菌 |
花粉シーズンに特化した研究 |
鼻・目の不快感を感じにくく |
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L-55株 |
免疫バランスの調整 |
季節変化に強い体づくり |
このように、乳酸菌は菌株によってそれぞれ作用の仕組みや得意分野が異なるため、自分の体質や症状の種類に合わせて選ぶとともに、複数の菌株を組み合わせる方法も良いとされています。
また、乳酸菌を選ぶ際は、継続的に摂取できるかどうかも重要なポイントです。体の調子が整うまでには、少なくとも数週間から数ヶ月かかることが一般的であるため、まずは一定期間試してみて、体調の変化を観察することをおすすめします。加えて、自分のライフスタイルに合った形で、無理なく続けられる製品を選びましょう。
乳酸菌を含む食品と効果的な摂取方法

日常生活に溶け込んだ食品の中には、季節の変化による不調を感じやすい時期の健康維持をサポートする乳酸菌が含まれています。サプリメントだけに頼らなくても、日々の食事を少し工夫するだけで、乳酸菌を取り入れることは可能なのです。
大切なのは、継続的に摂取することです。大量に摂るよりも、少量でも毎日続けることで、腸内環境を良好に保つことにつながると考えられています。
ヨーグルトによる日常的な摂取
乳酸菌を手軽に摂取できる代表的な食品がヨーグルトです。スーパーやコンビニでも簡単に手に入るため、毎日の習慣にしやすいのが魅力です。
朝食に100〜200gのヨーグルトを取り入れることで、腸内フローラのバランス維持に役立つとされています。プレーンタイプを選ぶと、余分な糖分を避けられるためおすすめです。
発酵食品から得られる乳酸菌
ヨーグルト以外に、様々な発酵食品からも乳酸菌を摂取できます。日本の伝統的な発酵食品は、長年にわたり食文化として受け継がれてきた健康的な食材です。
発酵食品には植物性乳酸菌と動物性乳酸菌があり、それぞれ特性が異なります。多様な発酵食品を組み合わせて食べることで、腸内のバランスを整えやすくなります。
キムチや漬物などの植物性乳酸菌
キムチや漬物には、植物性乳酸菌が豊富に含まれています。植物性乳酸菌は胃酸に強く、生きたまま腸まで届きやすいと言われています。
ぬか漬けや浅漬けなどの日本の漬物は、毎日の食卓にも取り入れやすい食品です。ただし、塩分が多いものもあるため、食べ過ぎには注意が必要です。
キムチは複数の乳酸菌を含む発酵食品で、辛味成分のカプサイシンが体を温め、季節の変わり目の健康維持に役立つとされています。
味噌や醤油などの伝統的発酵食品
味噌や醤油といった調味料にも乳酸菌が含まれています。これらは毎日の料理で自然に使われるため、意識せずとも乳酸菌を取り入れやすい食品です。
特に味噌汁は日本人にとってなじみ深い食事のひとつです。一日一杯の味噌汁を習慣にすることで、日常的に乳酸菌を取り入れることができます。
加熱によって乳酸菌の一部は死滅しますが、死菌であっても腸内環境に良い影響を与えると報告されています。そのため、加熱調理した味噌汁でも十分に取り入れる価値があるでしょう。
効果を高める食生活のポイント
乳酸菌を含む食品を摂取する際は、いくつかのポイントを意識するとバランス良く取り入れられます。単に乳酸菌だけでなく、腸内環境を支える食生活を心がけることが大切です。
まず、乳酸菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を一緒に摂ると理想的です。野菜や果物、全粒穀物などに含まれる食物繊維は、善玉菌の活動をサポートします。また、バナナやはちみつにはオリゴ糖が含まれており、ヨーグルトと組み合わせることで相性が良いとされています。
次に大切なのは、多様な発酵食品をバランスよく摂ることです。一つの食品だけに頼るのではなく、ヨーグルト、漬物、味噌など複数の発酵食品を日替わりで取り入れてみましょう。
【発酵食品を取り入れた食事の例】
・朝食:ヨーグルトとフルーツ、全粒パン
・昼食:味噌汁と漬物を添えた定食
・夕食:キムチや納豆を副菜として追加
・間食:チーズやヨーグルトドリンク
また、乳酸菌は毎日摂り続けることが大切です。腸内細菌は日々変化しているため、一度にたくさん食べるよりも、少しずつ継続する方が理想的なのです。
これらの食品を一年を通じて取り入れる習慣をつけることで、体調を整えやすくなります。特に花粉の季節が気になる人は、飛散時期の2~3ヶ月前から食生活を意識すると良いでしょう。
さらに、水分補給も忘れずに行いましょう。十分な水分は腸の働きをサポートし、乳酸菌が働きやすい環境を整えます。一日1.5~2リットルを目安に、こまめに水を飲むことが大切です。
乳酸菌サプリの選び方と摂取のコツ
サプリメント市場には多くの種類があり、乳酸菌を含む製品も数多く販売されています。花粉シーズンを快適に過ごすためには、自分に合った製品を選び、継続的に摂取することが大切です。
ここでは、季節性の不調対策として乳酸菌サプリを取り入れる際の選び方と、上手に続けるためのポイントをご紹介します。
H3:サプリメント選びで重視すべきポイント
乳酸菌サプリを選ぶ際には、いくつかの基準を意識すると選びやすくなります。
まずは、どの菌株が含まれているかを確認しましょう。パッケージや公式サイトをチェックし、使用されている乳酸菌の種類や製造元の情報を確認することが、摂取する際の安心につながります。信頼性の高いメーカーの製品を選ぶと、より安心して取り入れられるでしょう。
乳酸菌の種類と含有量の確認
乳酸菌には多くの種類があり、製品によって使われている菌株や含有量は異なります。
菌株としては、L-92乳酸菌やEF2001株、BB536菌、KW乳酸菌など、花粉の季節の健康維持におすすめのものかどうかを確認してみましょう。
成分表示では、1日の摂取量に含まれる菌数もチェックしましょう。目安としては、1日あたり100 10億個以上の乳酸菌が含まれている製品が望ましいです。
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また、添加物の有無や量も確認することをおすすめします。必要以上に成分が多いものより、シンプルな配合のほうが、毎日続けやすい場合があります。
継続しやすい価格帯と形状
どんなに優れた成分が入っていても、継続して摂取できなければ意味がありません。数ヶ月以上続けて摂取することを前提に、無理のない価格帯の製品を選びましょう。
また、サプリの形状も継続しやすさに関係します。乳酸菌サプリにはカプセル、タブレット、粉末、ドリンクタイプなど、様々なものがあるため、自分のライフスタイルに合ったものを選ぶのがおすすめです。
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形状タイプ |
特徴 |
向いている方 |
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カプセル |
持ち運びしやすく、味を気にせず摂取できる |
外出が多い方 忙しいビジネスパーソン |
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タブレット |
水なしでも摂取できるものが多い |
手軽さを求める方 旅行などが多い方 |
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粉末 |
飲み物や食事に混ぜやすい |
カプセルが苦手な方 家族で使いたい方 |
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ドリンク |
液体で摂りやすく、飲みごたえがある |
即座に摂取したい方 ドリンク習慣がある方 |
このように、毎日の習慣にしやすい形状を選ぶことを心がけてみましょう。
継続性を重視するなら、手軽に高含有の乳酸菌を摂れるこちらもおすすめです。
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効果的な摂取タイミングと量
乳酸菌をより活かすためには、摂取のタイミングを意識するのがおすすめです。一般的には、食後の摂取が良いとされています。
食後は胃酸の働きが穏やかになるため、乳酸菌が腸まで届きやすい環境になると考えられています。特に、朝食後や夕食後など、決まった時間に摂る習慣をつけると続けやすいでしょう。
摂取量は、製品ごとの目安量を守ることが基本です。多く摂ったからといって効果が高まるわけではなく、過剰摂取によってお腹がゆるくなることもありえます。
毎日適量を摂取することが、体内のバランスを整える習慣づくりにつながります。
花粉飛散時期前からの摂取がおすすめ
乳酸菌を活用する際は、花粉飛散時期の前から摂取を始めるのが理想的です。体の調子を整えるためには一定の時間が必要なため、余裕を持って始めると良いでしょう。
目安としては、花粉シーズンの1~2か月前から摂取をスタートするのがおすすめです。
例えば、スギ花粉の飛散が2月から始まる地域では、12月から1月には摂取を開始するのが望ましいとされています。
・12月〜1月:摂取開始時期(スギ花粉対策)
・2月〜4月:スギ花粉飛散ピーク時も継続摂取
・4月〜5月:ヒノキ花粉対策として継続
・通年:季節を問わず継続することで体質改善を目指す
継続的な摂取により、腸内環境を整える生活習慣が身に付きやすくなります。花粉の時期だけでなく、年間を通じた健康サポートとして、乳酸菌を取り入れてみるのも良いでしょう。
医薬品との併用について
すでに医療機関で花粉症の薬を処方されている方は、乳酸菌サプリとの併用を気にする方もいるでしょう。持病がある方や複数の薬を服用している場合は、事前に医師や薬剤師に相談するのが安心です。
薬による治療と、乳酸菌などを取り入れた食生活を併用することが、体調を整えるサポートにつながることもあります。どちらか一方と決めるのではなく、それぞれの良い面を知って両面からアプローチできれば、花粉シーズンを快適に過ごしやすくなるでしょう。
乳酸菌と花粉症の関係とは|サプリや食品によるアレルギー対策に効果はあるの? のまとめ
乳酸菌は、花粉シーズンを穏やかに過ごすための自然由来のサポート成分として注目されています。腸内環境を整えることが、季節の変化に負けない体づくりに繋がると考えられているからです。
継続的に摂取することで体のリズムを整えやすくなるため、花粉シーズンの数週間前から取り入れることを心がけましょう。ヨーグルトや発酵食品といった食事から摂る方法に加え、手軽に取り入れられるサプリメントの活用もおすすめです。
日々の食習慣に乳酸菌を上手に取り入れて、健やかな毎日を目指す第一歩を踏み出してみましょう。
※ただし、乳酸菌サプリはあくまで健康維持を目的とした補助的なものです。症状が辛い場合は、医療機関での治療を優先し、必要に応じて専門家に相談することが大切です。
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